パニック障害
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パニック障害とは
前触れなく、動悸や息苦しさ、発汗、めまいやふるえなどが突然出現し、このまま死んでしまうのではないか、自分がおかしくなってしまうのではないかと強い不安に襲われます。からだの検査では直接的な原因となる異常がみられません。
この症状をパニック発作と呼びます。パニック発作が特別な状況に限定されずに繰り返し生じるようになった状態をパニック障害といいます。発作がなくても、また発作が起きるのではないかという持続的な不安がしばしば生じます。
およそ20人に1人がかかるといわれていますが、病気だと気付かない人が多く、適切な治療が行われないまま慢性化・重症化してしまうことがあります。早めに治療を始めれば治る病気です。気になる症状がある方は、早めの受診をお勧めします。
パニック発作が出ると、再び発作が起こるのではという“予期不安”が出現します。発作の不安のために大勢の人がいる場所を避け(広場恐怖(外出恐怖))、社会生活に支障をきたすようになります。うつ病やうつ状態を合併するほか、逆にうつ病がきっかけとなってパニック発作が起きる場合もあります。
広場恐怖
通常は危険ではない特定の状況において不安が生じ、苦手な状況や対象を回避しようとする状態です。人込みや電車の利用、飛行機への搭乗、高速道路での走行などが苦手となります。
こうした状況に共通しているのは、すぐに利用できる出口がないこと、安全な場所へ逃げ出すのが難しいという点です。人によっては恐怖を感じる状況でパニック発作を生じます。重症となると安全な場所である家から外に出ることが困難となり、家にこもってしまうこともあります。しばしば慢性に経過します。
- 広場恐怖の方が苦手な状況
人ごみ 電車やバス、飛行機などの乗り物 高速道路の走行 渋滞 歯科治療 会議室 美容院
症状
- 動悸、手のふるえ、手汗が出る、息苦しくなる
- 吐き気、胸が痛くなる
- めまいやふらつき感、あるいは気が遠くなる感じ
- 現実感がなくなる、自分が自分で無くなる感じ
- 自分をコントロールできない、気が狂いそうで怖い
- 死の恐怖
- 感覚が麻痺する、あるいはうずくような感覚
- 体が冷たくなる、あるいは熱くなる感じがする
治療について
最初に発作が起きる原因には、過労やストレスなどが関係しているとされています。発作が治まると検査しても異常は見つかりませんが、同じような状況になると再び症状が現れます。
身体的な疾患の除外を行った上で、症状の説明や発作で死ぬことはないことなどを説明します。薬物療法が効果的であり精神療法と併せて行います。
薬物としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択となります。
パニック発作を抑えるのに即効性のあるベンゾジアゼピン系抗不安薬も選択されます。クロミプラミンやイミプラミンなどの三環系抗うつ薬も有効です。